ジュニア育成で最も重要なことは,技術の最高到達地点が低くならないようにすることだと思います.日本では,上達が早いことと技術の最高到達地点が高いことを混同していると思います.技術の上達が早いことと技術の最高到達地点が高いことは全く別の事だと思います.急がず焦らず,十分な伸びしろのある技術を習得させることがジュニアコーチの最低限で必須の責任だと思います.伸びしろがあまり少ない当面のレースだけで活躍できるような技術を習得させるような,コーチが選手の将来性に蓋をしてしまうようなことだけは絶対に避けるべきだと思います.
もし選手が将来,ヨーロッパで活動し世界を目指そうとした時に,ジュニア時代に頭打ちするような技術しかが身に付いていなければ,選手は非常に苦労するし,成功する確率も低くなると思います.もちろんジュニア選手全員がプロレーサーになるわけではありません.しかし,そういう夢を持った子がいた時に,その夢を実現させることが可能な伸びしろのある技術を授けておいて,あとは本人が努力次第で夢がかなえられるような状態にしておくことが重要だと思います.
ジュニア育成に関しては,具体的な技術指導力よりも,なかなか上達しない子がくじけてしまわぬよう暖かく見守ってあげることが重要なことだと思います.伸びしろのある技術をじっくり身に付けさせるには,かなり重要な事だと思います.
改訂2021/02/28
2021/01/31