ウェイトトレーニング

高速化する現代アルペンスキーではウェイトトレーニングで強い身体を作ることは必須だと思います.ただし,腰高の滑りでは筋力はあくまでポジションを安定させ,リカバリー力を上げるためのものです.

腰高の滑りは骨格で遠心力に対応するため,そこに付いている筋肉が多くても少なくても関係ありません.筋量を増やしても直接的には速くなりません.しかし,強い体幹の筋力はポジションを安定させミスを減らしますし,ミスしたあとのリカバリーでは,立て直すための強い筋力が必要です.特に難易度の高いFECやヨーロッパのコースではポジションを安定させるのは大変なことだし,細かなミスも多く発生すると思います.難易度の高いコースでは,腰高でも筋力は必須です.なお,日本式のターン方法では,脚力を使ってターンしているので,脚の筋力をアップさせるとターンが良くなり成績にすぐに反映されます.しかし,対応できる最大遠心力が腰高よりかなり低いため,そもそも日本式ターンをおすすめしません.

ウェイトトレーニングはやればやるほど技術が向上すると思います.ウェイトトレーニングの技術が低いうちは,ウェイトをやってもなかなか筋量が増えません.ウェイトトレーニングの技術向上には1,2年の時間がかかると思います.1,2年の間,筋力がさほどアップしないことがあるということです.

日本では高校生からウェイトに本格的に取り組み始めることも多いと思います.しかし,ウェイトの技術向上に1,2年の時間がかかってしまうとしたら,実際に筋力アップするのは高校3年生になってしまうということです.中学のうちに,あくまで軽いウェイトで,ウェイトの技術だけを先に向上させておくことも有効だと思います.そうすれば高校生になって,本格的にウェイトに取り組んだ時に,すぐに筋力アップできると思います.

2021/03/01